粋な男たち
玉さんの本には毎回心を動かされる。
それは『男はつらいよ』を観た時のようでもあるし、『SMOKE』を観た時のようでもある。
頑固で、不器用で、やせ我慢ばかりだけど、実のところ底抜けに優しく、シャイで、常に下々の目線を忘れない。
つまり非常に“粋”なのである。
そんな“粋な男”玉さんが上梓した一冊がこちら↓
野暮が跋扈する現代。
師匠である殿(ビートたけし)の話はもちろん、先輩であるダンカンさん、そして芸能界に止まらず、酒場や競輪場や近所の名もなきおじさん達の言動を通して、男の真の格好良さ=粋とは何かを問う一冊。
僕的には初めて知る後半部の話にめちゃくちゃ衝撃を受けた。
ここまでカミング・アウトする必要もないという意見もあるかもしれないが、それ以上に僕的にはそれらをずっと胸の内にしまい続けながら、僕らの“玉ちゃん”であり続けたことに本当にグッときたし、改めて惚れ直す。
もし自分に子どもが出来たら、たいして勉強もスポーツもできなくてもいいから、こんな心意気をもった子になってほしいと心底思う。
ちなみに玉さん本で、僕が孫の代まで伝えたいもう一冊がこちら↓
「ひとは、男に生まれるのではない。男に「なる」のだ」
この言葉が非常に似合う一冊。
また、帯にある「よく生きろ。よくなくても、生きろ」の一文は、「粋な男たち」を読了後、その意味はさらに重い。
とにもかくにもこの二冊は“漢の教科書”に認定。
- by komedeth